王太子なのにモブってマ!?

初出
2020.02.10 09:04 Twitter
#書く予定はないけどタイトルと表紙だけ作って妄想する遊び

[]カッコ内はフォロワーさんのツッコミです。
ノエルさんありがとう。


異世界で皇太子に生まれ変わったのですが、なんか……モブです。みたいな異世界転生もの。愛され系第二王子(異母弟)がハチャメチャやってる影でひっそり生きる第一王子。敬愛していた叔父上(王弟)も突然現れた聖女によっておかしくなってしまった。弟の婚約破棄の煽りを食らって婚約者を失う。

自分の婚約者と弟の婚約者が親友でおこ。婚約者激おこ。勉強しなきゃいけないのに弟の尻拭いばかりで東奔西走する日々。行く先々で叱責される。やってらんない。途方に暮れていたら宰相とバッタリ会う。彼の息子も聖女の取り巻きで警戒していたら、跪き謝罪される。

年若い宰相だったが、結婚の意思はなく後継者を子爵家から養子にしていた。後継者の条件から外れた彼を近々養子解消するという。若さゆえ多少の回り道は仕方がないが、再三の忠告にも耳を貸さないという点で相応しくないと判断されたようだ。宰相も尻拭い要員。そこから親しくなり……。

聖女と弟の間に出来た子供を、宰相と二人で育てていくことになるのだった。

[それが次期王様?]

そうそう。王族と聖女の子を蔑ろにできないし、我が子と養い子が争うことになったら嫌だし、早々に後継者指定しちゃって。モブ皇太子なので周囲も「そんなもんか」「得策でしょう」みたいな感じ。でも次第にママみ溢れてくる王子に目を奪われるようになって、ハッとした頃には隣に宰相がガッツリいて。

二人共独身だし問題ないんですよ。変だけど。めっちゃ夫婦みたいなんですよ。教育方針が食い違って喧嘩していたと思っていたのに、次の瞬間には夕飯の話をしながら二人で養い子を眺めてニコニコしてたりして。そんなほのぼのルートかと思っていたら養い子が攫われて侍女が瀕死の状態で発見されるの。

この侍女が聖女狂的組織の間者だったんだけど、王子に絆され警護役に回ってた。刺客と共に数人がかりで襲われ、養い子は奪われてしまった。咄嗟に王子が侍女にヒールを唱えたら全快癒。聖女属性が移ってました。あれ?

侍女から話を聞けた王子は敵国に真っ向から「うちの子を返してください!」と言ってしまいアチャーな感じに。案の定、「証拠もなしにその言葉、失礼千万。王子自ら謝罪に出向け。もしかしたら捨て置かれた貴殿の養い子をうちの手の者が拾っているやもな」とかなんとか。罠。凄く罠。

勿論「行きます! 取り返してきます!」という王子に「お止めください宰相!!」と臣下が泣きついたら「私も行こう」ってなってアレー? 敵国に少数精鋭で乗り込んだ。勿論敵国の王は飛んで火に入る夏の虫とばかりに王子諸共殺すつもりで、聖女の子は利用する気満々。でも王子を一目見て心が変わる。

「ほう。婚約者に捨てられ婚期を逃した、日陰者の第一王子と聞いていたのだがな」ニヤリと笑い「お前の国の者達は目が節穴なのか? だがよい。要らぬ王子なら貰い受けてやる。二人で次代の聖女を育てるか? ん?」ってイケボで口説かれる。敵国の王は王妃を早くに亡くしやけっぱち野郎だった。

「は? 養い子は宰相と一緒に育てているので結構です!! 一昨日来やがれ。うちの子返せ!!」激おこ王子の力が爆発し謁見の間を中心に城が崩壊の危機。ほう、と見蕩れる宰相も止めない。キレッキレの王子に大臣貴族使用人たちは膝を屈し、ふわふわと光り輝き近づく丸い飛行体。養い子だった。

王威がピタリと止み赤子を抱き泣く王子とそれを支える宰相、キャッキャと嬉しそうに笑う養い子。すっかり毒気を抜かれた敵国の王。本気で嫁入りして国を統合しないかと言い出す。「それでは我が国が属国化したと思われます。まずは友好国として関係を改善して行きませんか」と提案。ナチュラルに振る。

帰国してからが大騒ぎ。今まで目もくれなかった者たちが目の色を変えて口説いてくる。吾、第一王子ぞ? 不敬である。ぷんすこー。だが宰相はそれまでと変わらない。相談してみたら「呪いが解けたのでしょう」とのこと。え? 僕って呪われてたの? 知らなかったんですけど!?

聞けば、宰相に魅了系魔法が効かず、反対魔法である幻滅も無効なのだとか。そして王子を呪っていたのは母である王妃だと知る。第二王子の父親が王ではなく、不義の子を愛しむ王妃の力が無意識に働いて、積み重なって、モブのような第一王子が爆誕した。空気を読む元日本人のスキルが後押ししてた。

敵国の謁見の間で激おこした時に、呪いの鎖も切れたようだ。「これであなたは自由ですよ」と言われ呆然とする王子。「正当なる王の血筋に連なる者よ、正しく民を導いて下さい」と臣下の礼を取る宰相。「そんなこと、言わないでくださいよ。そんなこと、あなたが」ポタポタと滴る滴が宰相の手を濡らす。

「呪いであれ何であれ、今さら掌を返してきたひとたちを信用なんて出来ない。僕には貴方しか(頼れるひとが)いないのに!」って泣き出してしまう。「今さらそんな、距離を取るとか、酷い……酷いひとだ」と縋り付かれ、宰相の胸にチロチロと燻っていた種火に風が吹く。えんだーいやーいあーーーあーー

お察しの通り、悪役令嬢物語の裏で起きている話です。これ。

異母弟って書いてあるな。異母じゃない。秘密の異父弟でした。あと皇太子じゃなくて王太子。違いがよくわかってないけど。めっちゃ眠かったん……

冷たい家庭に育って、叔父上だけが優しくしてくださっていたのに。突然の無関心に傷ついた王子は心変わりがとても怖い。婚約者も表面的には友好的だったのに一方的に激怒して婚約破棄されたし。常に平坦対応だった宰相は安全圏だった。

自覚した宰相は、決して(肉体的に)迫ってはこないけど愛を囁いてくるようになって困る王子。

愛を囁かれ、へにょへにょになる王子を見て柔らかく笑む宰相。同性婚を認める法改正に走る大臣官僚たち。母は修道院送りになり、父王は次男が不貞の子であったから長男も? と疑っていたがそれが晴れたので、無関心から庇護者にジョブチェンジ。

聖女は子を宿したことにより力を失い、取り巻きたちは失脚。蟄居などしている。第二王子は愛が冷めた相手の子を受け入れられず錯乱状態。敵国(今は友好国)へ留学という名の再教育を任せることになる。話し合いました。やさぐれ王が面白がっています。

なんだかんだで、収まるところに収まるようです。因みに、同性婚第一号は悪役令嬢(弟の婚約者)と王子の元婚約者でした。

[王子と宰相じゃないんだ!ꉂꉂ(๑˃▽˂๑)笑笑]

そう。モブ体質なので。

[そのままずっと後回しにしてて、育った養子に「え?結婚してなかったの??」と言われる未来……]

いや、その前にちゃんと、元婚約者にブーケを渡されながら「次は殿下と宰相様ですわね。あの頃は大変失礼を致しました……」と、ずっと悪役令嬢に恋していたことなど語られてこちらも和解します。元婚約者の話に驚いて、部屋に帰ってブーケを眺めながら「僕と宰相!?」って真っ赤になって倒れるやつ。

ひとしきり一人でわたわたしてぐるぐる考えてぎゃーってなって。夕方頃には落ち着いて、夜になって一日空回りしてる自分に寂しくなってきた頃に私室へ訪う宰相(初めて)。

「夜分遅くに申し訳ありません。お父上に求婚の許可を頂いていたらこんな時間に……」とか言われて王子はボボボンと真っ赤になってしまって。求婚者の瞳の色の花を贈るのが習わしで(生花でも造花でも可)。OKの時には自分の瞳の色の花を添えて返すの。断るときには相手の色一輪のみ、そのまま返却。

貴族なんかは普通、薔薇とか豪華な花を贈りがちなんだけど宰相は勿忘草でした!

あーもうだめだこの人が好きだ、って、触れもせず退室しようとする宰相を引き留めてしまう。上着の裾を掴んで。気持が乱高下して泣き出す王子。涙を拭こうとして顔が近付いて「僕も好きです。結婚してください」ってキスするんだ。

宰相はお泊りして、後日、王子は勿忘草に菫を添えてお返しします。求婚花が枯れてしまうのを嘆く王子に、宰相が同じ色のインクを作らせましょうと言って、小さなインク瓶が互いの机の上に常備されるようになったのでした。よく手紙も書いています。宰相からは詩や恋文が届きます(隣にいるのに)。

王子は王太子なので、宰相は将来的に王配扱いとなり、養い子がその次の王となることが決まっている。なので、式は養い子のお披露目も兼ねて「それでいいのですか?」とまた結婚式の主役なのに脇役扱いになることを懸念する宰相に「三人で主役になろうよ」って笑うモブ王子だった。

キレイにまとまった( • ̀ω•́ )✧ふぅ。

螺旋の梯子

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